本書は、YouTubeをメディア論の観点から論じている。YouTubeは、映像プロデューサーにとって戦略的な位置づけを考えておくべき対象であり、その意味で本書は直接YouTubeによる映像ビジネスを論じてはいないが、重要な考え方を理解するために有用である。たとえば、YouTubeなどオンラインサービスは、インターネットの性質上グローバルな環境であるが、一方でYouTubeはローカルサイトも展開しており、その地域に関連すると判断される映像を優先的に提示する。コンテンツビジネスにおいて、グローバリゼーションとローカリゼーションは、最も重要なビジネス判断の要素の1つである。