本書は、デジタルシネマの初期に制作プロセス、テクノロジ、ワークフローなどを整理した書籍として知られている。本書は、欧州の映像ビジネスの視点からデジタルシネマを解説している点において、ハリウッドや日本の状況と比較する上でも有用である。現場において、フィルムとデジタル処理のハイブリッドによってプロダクションを実施する際に、デジタルインターミディエイト(DIと略す)によるフィルムーデジタル変換が必要となるが、このDIに関する解説が含まれている点は、プロデューサーとして重要な知識となる。2004年に出版されているので、技術的進化が早い分野であるため、技術情報や標準化に関する記載など情報の鮮度には注意が必要である。