プロデューサーとして『卒業』『アメリカン・ヒストリー X』などの名作を手がけ、現在南カリフォルニア大学フィルムスクールのプロデューサー学科長を務める著者が、一見謎に包まれたプロデューサーという仕事を解き明かす本。プロデューサーの仕事について、どのような資質が求められ、脚本開発から資金の工面、そして実際の製作に至るまでの一つ一つのプロセスを丁寧に説明してゆく。また、本書の最後には代表作である『卒業』におけるプロデューサーとしての仕事を事例紹介として取り上げる。プロデューサーとしての人格、とくに高潔さと倫理観を重視する著者の一貫した考え方が通底している。著者のプロデューサーとしての40年間の経験と知恵を凝縮した一冊である。