2012年12月10日(月)から12日(水)の3日間にわたって、全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)の主催により「東京TVフォーラム2012」が開催された。日本の放送コンテンツの海外発信力を高めるという目的で2011年に立ち上げられた「東京TVフォーラム(TTVF)」は、ドキュメンタリーの国際共同製作を支援する国際イベントであり、その一環として日本で初めて国際共同製作を目指す提案会議であるピッチング・セッションが行われた。
第2回目となるTTVF 2012では、世界14ヵ国と地域から提案採択権を持つデシジョンメーカー22人を招聘し、日本国内外の53本の企画から選ばれた26本の企画が審査されたが、人材育成が極めて重要であると考え、企画募集の段階からワークショップを開催している。講師として海外の国際プロデューサーや国際共同製作に詳しい日本人プロデューサーが指導にあたり、世界に通用する製作手法やピッチの基本を学ぶべく実践的な研修が実施された。
本稿は、数回に分けて行われたそのワークショップの内容を公益財団法人ユニジャパンが要約したものである。当法人は、コンテンツビジネスの世界で国際的に活躍できるプロデュース人材の育成を行っており、コンテンツビジネスプロデューサーを目指す人材に対して、ドキュメンタリーの国際共同製作およびそれに係るピッチの手法を身につけてほしいと考えている。この『ドキュメンタリーの国際共同製作ガイダンス』が、その一助となれば幸いである。
なお、本稿は国際共同製作のドキュメンタリーの分野についてまとめたものだが、その内容は普遍的であり、特にピッチに関しては映像コンテンツのそれ以外のジャンルについても参考となるであろう。