2012年2月22日(水)から25日(土)の4日間にわたって、公益財団法人ユニジャパン並びに経済産業省の主催により、「国際若手人材のための映画プロデュースワークショップ」が北海道にて開催された。これは「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」と提携して行われたイベントで、国内のみならず、韓国、中国(香港)、シンガポール、ベトナム、ヨルダン、オーストラリア、イギリス、フランス、ポーランド、アメリカといった計11か国から、世界の映画産業の将来を担う有望な若手プロデューサー19名が参加した。
ワークショップの目的は、研修を通じて“世界”を意識した映画作りへのマインドを身につけ、重要な国際共同製作の経験を獲得すると共に、参加者同士の将来につながる国際的なネットワークを構築することにある。内容としては、3、4名でひとつのチームを結成。各国の国際共同製作の事例発表や札幌コンテンツ特区に関するレクチャー、北海道札幌周辺での実際のロケーションハンティングを参考に、北海道をベースにした国際共同製作企画プロジェクトをチームごとに開発し、ピッチコンペティションを行った。
本稿は、ファシリテーターとしてワークショップに参加した筆者が使用した講義部分の一部を活用し、ピッチ(プレゼンテーション)およびトリートメント作成におけるサポート・ガイドラインとなるべく、まとめたものである。国内外における国際共同製作の実務経験者や大学、あるいは大学院で映画製作を学ぶ若手人材を対象としている。
解説しているサンプルピッチは、実際にワークショップにおいて15分で行ったものであり、必要要素を含んだ国際共同製作企画を目的としたものである。