ライブラリ 国際的なコンテンツビジネスを推進していくために必要な知識やノウハウを
自ら学ぶ際に参考となる書籍や情報を掲載しています。
ライブラリについて

ピクサー流 創造するちから ――小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法エド・キャットムル、エイミー・ワラス

本書は、組織においてクリエイティブな文化を創ることを解説した管理者を対象とした書籍である。著者は、アニメーションをヒットさせ続けているピクサー社の創業者であるエド・キャトマル氏で、ピクサー社での経験をまとめた内容である。

コメント

数多くのアカデミー賞劇場映画や短編アニメーション作品を製作しているピクサー・アニメーション・スタジオ社を創立したエド・キャトマル氏が、ピクサーの誕生前、誕生した時期、スティーブ・ジョブズ氏とともに会社を成長させていった思い出などを紹介している。クリエイティブな集団であるために重視していること、企業の文化やリーダーシップなどコンテンツビジネスに役立つ内容が満載である。クリエイテイブな文化をいかに創り上げるかが、成功の鍵であると再認識することができ、そのための様々な工夫を学べる一冊である。

目次

序章 再発見

第Ⅰ部 はじまり
 第1章 生命を吹き込む
  アニメーションとの出会い
  ユタ大学とコンピュータ・グラフィックス
  コンピュータ・アニメーション映画への道
 第2章 ピクサー誕生
  ルーカスフィルムとピクサー誕生
  ジョン・ラセターと動き始めた“ウォーリーB.”
  売却か、閉鎖か、スティーブ・ジョブズか
  NeXT後のスティーブ・ジョブズと再会
 第3章 より長く、より遠く
  デミングと日本企業に学んだこと
  マイクロソフトからのオファー
  ディズニーとの取引
  絶妙なタイミングでのIPO
  改善は一夜にして起こらない
 第4章 ピクサーらしさ
  ぎゃふんと言わせてやろう
  いいアイデアといいスタッフ、どちらが大切か
  言葉が与えてしまう、誤った安心感

第Ⅱ部 新しいものを守る
 第5章 正直さと率直さ
  “駄作”を蘇らせるために
  クリエイティブとビジネスの緊張関係
  実際のブレイントラスト会議
  率直な会話、活発な議論、笑い、愛情
  グッド・ノート (よい指摘) は具体的に
  本音で語れる環境こそ、いいものをつくる唯一の方法
 第6章 失敗と恐怖心
  できるだけ早く失敗しよう
  実験的な作業を楽しむ
  惰性で仕事をしていないか
  失敗はどこまで許されるか
  腹を割って話すための工夫
  マネジャーのプレッシャーを受け止める
 第7章 貪欲な野獣と醜い赤ん坊
  独創性の生まれ立ては、醜く、もろい   組織には、野獣も必要
  ピクサーのインターンシップ・プログラム
 第8章 変化と偶発性
  “カールじいさん”の紆余曲折
  「創造する衝動」を失わないために
  目に見えないものの可能性
  大きな問題、小さな問題
  創業者にしがみつかない
 第9章 隠れしもの
  人と人の間に潜む、大きな問題
  ここに“在る”ことが偶然
  認識と現実は、往々にして異なる
  扉の向こう側へ

第Ⅲ部 構築と持続
 第10章 視野を広げる
  1 全員で問題解決 (デイリーズ)
  2 現地調査でつかむ本物感
  3 制約の力
  4 テクノロジーとアートの融合
  5 短編で実験する
  6 観察力を養う
  7 反省会
  8 学び続ける (ピクサー・ユニバーシティ)
 第11章 未来に踏み出す
  創造するリーダーのメンタルモデル
  プロデュースする側のメンタルモデル
  「マインドフルネス」の効果

第Ⅳ部 検証
 第12章 新たな挑戦
  ピクサーはディズニーに飲み込まれてしまうのか
  悪い予感が的中
  悪循環を断ち切るには
  ディズニー側の自立
  ピクサー側の目覚め
  手描きアニメーションの復興と苦い経験
  “ラプンツェル”で壁を乗り越える
  生まれ変わったクリエイティブ集団
 第13章 創造する環境
  成功ゆえに忍び寄る危機
  打開策を全員で出し合う
  ノーツ・デーで一番よかったこと
  楽になることより、卓越すること
 終章 私の知っているスティーブ
  スティーブ・ジョブズの「ピクサー作品」
  膵臓ガンの告白と、最後の願い
  不可能を可能にする
  たまらなく素敵な旅だった

基本情報

ページ数
424ページ
出版社
ダイヤモンド社
言語
日本語
発行年
2014年
ISBN10
4478016380
ISBN13
978-4478016381