プロデューサーが映画製作を企図する場合、企画開発(デベロップメント)の段階を極めて重要なフェーズとして捉える必要がある。特に「法的リスクの回避」という点においては、もっとも重要なフェーズといっても過言ではない。企画開発というプロジェクトの初期段階で処理しなかった、または、処理できなかったLegal Issuesを事後的に処理することは非常に困難であり、想像以上に時間と労力を要する作業となる。
企画開発段階で登場するプレイヤーとしては、原作者、リサーチャー(取材協力者)、脚本家、原案を作成した者、構成作家、ストーリーアナリスト(企画協力者)、アソシエイトプロデューサー、監督などが挙げられるが、それぞれが有する法律上の権利が異なるため、各役割と立場に応じたケアが必要となる。
本稿によって企画開発段階において生じ得る主要な法的問題点についての一定の理解を得て、トラブルの「火種」を残さず、慎重に企画開発を進めて頂ければ幸いである。