中国における映像制作関連契約分部 悠介、本橋 たえ子、周 婷
中国のコンテンツビジネス市場は年々拡大しており、最近は日本のマンガ・小説等のIPをベースとした、中国におけるリメイク・実写映像化、中国と日本による共同映像製作案件が増えてきている。その一方で、中国では近年急激にコンテンツビジネスが拡大してきたため、コンテンツ取引におけるリーガルプラクティスも、試行錯誤しながら現在進行形で形成されつつあるという状況であり、日中間の取引においてはトラブルが少なくないのが実情である。
本稿では、特に映像ビジネス分野にフォーカスして、関連する契約のポイントについて、日本語及び中国語による契約条項サンプルを提示しつつ、紹介、解説していく。
目次
1. はじめに
2. 背景情報
2-1. 中国コンテンツ市場の概況
2-2. 中国企業との契約締結上の留意点
2-3. 中国における映像制作に関連する法規制
(1) 映画
(2) ネット配信コンテンツ
2-4. 映像制作関連契約の分類
3. 映像制作関連契約のサンプル及び解説
3-1. 各契約類型共通の一般条項
(1) 当事者
(2) 解除
(3) 通知
(4) 準拠法・紛争解決
(5) 言語
3-2. ライセンシング型契約の条項例
(1) 定義
(2) 許諾範囲
(3) 再許諾
(4) ライセンス料
(5) 制作の監修と許可手続
(6) 権利被侵害対応
(7) 商標等の登録行為の制限
3-3. 共同製作型契約の条項例
(1) 契約の目的
(2) 製作予算と出資
(3) 制作業務
(4) 申請手続等
(5) 権利の帰属
(6) 権利処理
(7) 収益の分配