コンテンツ製作における資金調達は、これまで国内において製作委員会を組成するものがほとんどであった。しかし、海外における日本のアニメーション人気の高まりなどを背景に資金調達も国際化が進み、その調達手法もエクイティによるアプローチなど多様化してきている。
資金調達スキームの構築にあたって、海外からの出資、あるいは海外への出資など、国境を越えるケースを加える場合、国内における従来の製作委員会による資金調達スキームとはさまざまな点で異なる課題が発生する。 なかでも、事業主体の負う国際的な課税関係、パススルー課税を重視した場合の金融商品取引法上の取り扱いは、効率的かつ合理的なビジネススキームを構築していくうえで考慮すべき必須の論点であり、プロデューサーとしては、投資スキームの国際化とその法的な課題の実情を把握しておく必要がある。
本稿では、こうした資金調達スキームの構築に関わる税務上の課題について解説を行っている。